あかねヶ丘ケアセンター 認知症デイサービス
認知症の治療は、薬物療法だけでなく回想法や音楽療法などの非薬物療法や適切な介護・ケアなどのバランスの良い組み合わせが大切になります。認知症は、記憶や学習に関与するといわれるアセチルコリンの脳内の量が減る事で発症すると考えられています。アセチルコリンを増やす治療薬として、アリセプトが10年前より使う事ができるようになりました。但し、中核症状である認知機能障害を治す事はできず、進行を遅らせる効果です。何度も尋ねる事が減ったり、意欲がでて簡単な家事や趣味を再びするようになったりしますが、効果には個人差があり中断すると効果が失われるので飲み続ける事が大切です。また、認知症が進行し入浴や着衣、トイレなどで常に介護が必要となる高度の状態に対して、従来の5mgから10mgまで使えるようになり有効な場合があります。
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認知症症状には、認知機能の障害である中核症状と周辺症状があります。中核症状は、覚えられない、判断できない等のそれぞれの役割を果たす脳機能の障害であり、全ての患者さんにみられ、病気が進むと症状も進みます。周辺症状は、怒りっぽい、暴力をふるうなど生き残っている脳が暴れているために怒る症状で、環境や人間関係などが関係する反応性の症状であり、病気の進行と関係なく起き、みられない患者さんもいます。介護する人が実際に困るのは、周辺症状であることが多く、以前は問題行動と呼ばれていました。しかし、決して周辺症状ではないよねという声を反映して、認知症の行動、心理症状(BPSD)と呼ばれるようになりました。
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認知症の半分以上はアルツハイマー病によって起こると言われています。アルツハイマー病は40代や50代に発症する事もありますが、大部分は高齢者になる程多く発症します。この病気の原因はまだ完全に解明されていないので、根本的な治療は残念ながらまだありませんが、病気の成り立ちにかかわるいくつかのポイントがわかってきました。患者さんの脳では、神経細胞が急激に壊れて萎縮してきます。特に知的活動に関係する大脳皮質と記憶の中枢である海馬に著しく見られます。このため、中核症状と言われる、物忘れ、判断力の低下がみられ、日常生活に支障をきたすようになります。ベーターアミロイド等の特殊な蛋白が脳細胞にたまってくることが関係しているようです。これを分解したり、沈着を予防する薬の開発が進められています。
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4回目は、認知症のテーマから少し外れますが、関連することを書きます。以前からファンである玉村杜富男さんが集英社新書、「今日より良い明日はない」を出版しました。長野県で農場、ワイナリー、レストランを経営し、著作や画家、テレビ出演等でも有名な方ですのでご存知の方も多いと思います。この本より引用します。「子供の成長は、すなわち老化でもあります。生れ落ちたその瞬間から、人間は死に向かって一歩一歩進んでいくのですから。その意味では、老化も成長である、と言えるでしょう。少なくとも成長の続きである事は確かです。誕生から死に至るまでの一直線の老化の過程を、ある年齢までは生長または成長と呼び、ある年齢から老化と呼ぶ、ただそれだけの話しですから、どこまでを成長といい、どこからを老化と呼ぶかは自分で決めればいいのです。今日より良い明日を求めるから人は思い煩うのです。より良い明日を、より豊かな暮らしをという、際限のない欲望が人を苦しめます。アンチエイジング(老化防止)より大切なのはエイジング(熟成)です。」そうです。私は、体の老化だけでなく認知症も脳の老化の究極の姿ですから熟成の一種と思えば、そう怖がる必要はないと考えます。見事に熟成しましょう。
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認知症は「後天的な脳機能障害により、日常生活や社会生活に支障のある状態」を言います。物忘れ(記憶障害)があるとすぐ認知症ではと心配しすぎる方がいますが、同年代の人と比べて明らかに劣っているかが問題であり、若い時より記憶力が衰えるのは当然の事です。物忘れが多くなり、見覚えのある女優の名前が思い出せなかったり、たまに会う人の名前が出てこなくて焦ったりするのは、私も時々あります。(ちなみに56歳です。)
頻繁に会っている人や自分の子供の名前を思いだせないのが、病的な物忘れです。また物忘れ以外に、日時や場所が分からなくなったり(失見当)、服が上手く着られなくなったり(失行)、料理を作れなくなったり(実行機能障害)、娘の顔を見ても誰だか分からなくなったり(失認)、いずれかのもう一つの認知機能障害があると認知症と診断されるのです。
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私が学生だった1970代、日本ではアルツハイマー病よりも脳血管性痴呆が圧倒的に多く、特に前者は発症すると急速に進行し、何もかもわからなくなり廃人となり数年間で死亡すると恐れられていました。興味を持つ医師も少なく治療法もなく恥ずかしい病気と、隠したり諦められていました。レーガン元大統領がアルツハイマー病になった事を告白したり痴呆が認知症と呼称変更され、年をとれば誰でもなりうる病気であり、原因究明や薬物療法も進歩してきており、2000年からは介護保険制度も始まり、グループホームやデイサービスも利用できるようになりました。
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あかねヶ丘ケアセンターの西棟デイサービスの広報誌「あかねヶ丘の樹」がスタッフの努力により4月から毎月発行されています。この度、しばらくの間、「Dr古澤の認知症コラム」を担当させてもらう事になりました。平成15年12月に特養に併設でない単独型の認知症対応型デイサービスを山形市で初めて開設し、当初はなじみが薄かったのですが、最近は多くの方に利用して頂いております。認知症は身近な病気であり決して怖い病気ではありません。ご利用者様・ご家族様に役立つ最新の情報をお届けしていきます。
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認知症対応型通所介護とは
認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービスで、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、認知症の利用者が通所介護の施設(デイサービスセンターなど)に通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供することにより、自宅にこもりきりの利用者の社会的孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。
誰でも利用できますか?
在宅生活を送られている方で、介護認定の要支援・要介護認定を受けられている方。もしくは、申請中の方。認知症の症状が重度、軽度にかかわらずご利用になれます。また、主治医等より「認知症」の診断を受けている方が対象となります。
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楽聖会公式ホームページを開設しました。
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