医療法人社団 楽聖会(らくせいかい)

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認知症コラム第9回 2010.3月掲載

前回は岩手医大、高橋智准教授らがまとめられたテキストから引用させて頂きましたが、今月もその中から「やすおじいちゃん物語」を紹介します。あるところに、物忘れが始まったやすおじいちゃんが家族に囲まれて暮らしていました。万年筆を客間に置き忘れて、自分の部屋の万年筆がないと怒って探しています。仕事から帰ったお父さんと孫の健太君、またいつもの物忘れかと思いましたが、「一緒に探そう!」と優しい言葉をかけて、一緒に探してあげました。おじいちゃんは万年筆を探していた事も忘れ、何をしたかは忘れてしまったけど、心の中に残ったのは…。困った時に優しく助けてくれる人という優しくて温かい感情です。このようなケアの中で6ヶ月後、物忘れは進みましたが、やすおじいちゃんはみんなと楽しく暮らしています。これに対し、「何言ってんの、いつもの物忘れじゃないか。俺だって忙しいんだ。」とイライラしたお父さんが1分間怒鳴っていきました。それを聞いたおじいちゃん「そうかまちがっとったか!息子に迷惑をかけないように気をつけよう!」とはなりません。何を言われたかは忘れたけど、おじいちゃんの心の中に残ったのは「ワシが困って助けを求めても、怒って返す怖い人」という不快な感情です。このようなケアの繰り返しで、息子を見た時にこの人は怖い人という感情が残り、息子が介護で手を出そうとすると、殴りかかって、介護への抵抗や暴力が始まり、「あんな怖い家には居たくない」と、やすおじいちゃんは町を徘徊するようになってしまいました。このように、感情的なしこりは強く残るので、BPSDの対応には、ご家族や介護者の温かな対応が重要です。

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