認知症コラム第8回 2010.2月掲載
認知症の周辺症状(BPSD)は、怒りっぽい、暴力をふるうといった症状であり、生き残っている脳が暴れているために起こる症状と考えられ、みられない患者さんもおり、病気の進行と関係なく起こります。大きく、行動症状と心理症状に分類されます。行動症状としては、攻撃性(暴行・暴言)、叫声、拒絶、活動障害(徘徊、常道行動、不適切な行動)、食行動の異常(異食、過食、拒食)などがあり、心理症状としては、妄想(物盗られ、被害、嫉妬など)、幻覚(幻視、幻聴など)、誤認(ここは自分の家ではない、配偶者が偽者であるなど)、感情面の障害(抑うつ、不安、焦燥、興奮、アパシーなど)、睡眠覚醒障害(不眠、レム睡眠、行動異常)などがあります。介護者が実際に困っているのは、記憶障害などの中核症状よりも、これら周辺症状であることが多いのですが、適切なケアと治療によってある程度コントロールする事が可能なので、周辺に押しやることができる症状という意味でもあります。私ども楽聖会では、薬物療法を主に理事長が担ったり指導し、実際のケアを現場のスッタフが一生懸命担っています。